愛犬が首をかしげる姿は本当にかわいいです。音を聞き取るために首をかしげるという事は知っていましたが、他にも理由があるそうですね!ぜひ、知りたいです!
音を聞き分けるほかに、病気のサインの意味もあるよ!
ほとんどの飼い主は、愛犬が首をかしげるのは音を聞き取るためという事は知っているでしょう。
しかし、犬の首をかしげる動作には音を聞き取るほかに、病気のサインや飼い主を喜ばせるためなど他に意味もある事は知らない人が多いと思います。
今回は、愛犬が首をかしげる理由や病気について紹介します。
首をかしげる理由
愛犬が首をかしげる理由は以下の通りです。
音や言葉を聞き取るため
犬の聴覚は、人間より高いので、人間にとって小さな音が犬からしたら大きな音に聞こえます。日常生活の中で大きな音が多いと、ストレスとなるほど犬は音に繊細です。
人間が聞き取れない遠くの音も聞き取る事ができますが、正確に聞き取るにはしばし時間がかかります。
音を聞き取る=音の出所とすぐには探り出せないので、音を感知すると音の出所を正確に把握するために耳をピコピコ動かしながら音の出所を探り出します。
耳で音の出所を探し、首をかしげて音が聞こえる方向を割り出そうとします。
他には飼い主が普段と違う声で話しかけたり、違う指示を出した時などに愛犬は、「いつもと違うな?どうしたらいいのだろう?」と感じながらも飼い主が何を言っているのか聞き取ろうとします。
または、「散歩」や「おやつ」など楽しみしている単語が聞こえた時には、「散歩いけるの!?/おやつくれるの?!」と飼い主の声を確認しようと首をかしげたりします。
視点を変えて見るため
飼い主の服装や声が普段と違うと「本当に飼い主なの?いつもと違う!」と不思議に思いながらも首をかしげて考える事があります。
テレビなどで飼い主が手品などでおやつやご飯を隠した時と「どこにいったの?」と不思議そうに首をかしげる姿を見たことがありますよね?
目の前に合ったおやつやご飯が消えたことに「どこにいったのだろう?」「飼い主の手の中かな?周りになるのかな?」などと様々な可能性を考えるために首をかしげたりします。
飼い主を喜ばせるため
愛犬の首をかしげるしぐさは、飼い主からしたら悶絶するほどの可愛さです。人間の子供や可愛い人が首をかしげる事をしますが、全然可愛くないです。
犬は、首をかしげる姿も表情もすべてが可愛すぎますよね!
首をかしげる仕草は、音を聞き分けるほかに飼い主を喜ばせるためにすることがあります。
首をかしげた時に飼い主が「可愛い!」と喜ぶ姿を記憶しているので、「首をかしげる=飼い主が喜ぶ」と認識し、飼い主に褒められたい時に首をかしげる事があります。
飼い主を喜ばせたい一心で可愛らしい姿を見せてくれるのは、本当に幸せ者だと感じます「神!」としか思えませんね(笑)
病気が原因
首を傾げたまま戻せなくなったり頻繁にかたむけたりするのは、病気の可能性があります。
首をかしげる仕草が病気のサインの場合があります。
病気のサインの見分け方
- 耳を頻繁に掻く
- 耳が汚れている
- 耳から異臭がする
- 首をかしげるのではなく振っている
- 首をかしげたまま戻らない
- 眼振
- 同じ場所を旋回する
- まっすぐ歩けない
耳の病気:犬の耳の病気で多いのが、外耳炎・中耳炎・耳ダニ・耳血腫などです。中耳炎や外耳炎は細菌やウイルスの感染により、炎症を起こします。
炎症により頻繁に頭を振る・眼振などの症状が現れ、重症化すると顔面麻痺の症状が現れます。
神経の病気:高齢犬に発症しやすく耳の前庭神経で炎症が起こり、眼振、同じ場所を旋回するなどの症状が現れます。
脳の病気:脳梗塞や脳腫瘍などによりまっすぐに歩けない・歩行時のふらつきが見られるようになります。
これらの様子が頻繁に見られたら、耳・神経・脳で炎症などが起こっている可能性があります。すぐに病院に連れていきましょう。
病気について
首を頻繁にかしげたりするのは病気の可能性があります。首をかしげるのに関係する病気について紹介します。
内耳炎
内耳は聴覚と平衡感覚の役割を担っている三半規管から構成されており、日常生活に欠かせない器官です。犬の内耳炎は、中年~高齢期の犬が発症しやすいです。
原因は、ウイルスや細菌による感染症や、外耳炎や中耳炎の治療で使用する洗浄液が内耳に入る事で炎症を起こし内耳炎になってしまう場合です。
症状
- 耳に違和感を覚え頻繁に頭を振る
- めまい
- めまいによる歩行困難・旋回行動
- めまいによる食欲不振や嘔吐・吐き気
- 首をかしげる斜頸(首が左右どちらかに傾いたままなっている状態)
- 眼振
- 発熱 など
斜頸:先天性と後天性のものがあり、内耳炎や脳炎・怪我などが原因で歯証する事がある。特に、中年~高齢犬に発症する事が多い。
- 先天性の原因:母体内にいる時の体勢が良くない事で斜頸が起こりやすくなる。
- 後天性の原因:打撲や怪我など強い衝撃が首付近にかかると外傷性の障害として斜頸が引き起こされる。外傷の他に内耳炎や突発性前庭疾患、パグ脳炎なども首を傾げる症状が現れる。
内耳炎の症状は、愛犬にかなりの負担となっています。めまいによる旋回行動などの症状もあるほどなので、犬のめまいは人間のめまいより酷いはずです。
病院に歩いて連れて行く人がいますが、めまいで歩けない状態なのに無理に歩かせて連れて行く事はやめてください。
安静な状態に保ちながら病院に連れて行きましょう、その際、どうしても車の揺れが気になりますが極力揺れが少ないように運転してください。
内耳炎の治療は、薬と安静が重要なので休養中はトイレや食事場所への距離を短くしましょう。
突発性前庭疾患
前庭の異常で起こる病気で、突発的に発症します。特に、中年期~老犬に起こることが多いです。
原因は詳しく解明されていない事がほとんどで、前庭内部にあるリンパ液の循環障害で起こるのではないかとも言われています。
めまいやふらつき、歩行困難・旋回行動など内耳炎と同じ様な症状が起こります。重症化すると歩けずに倒れ込んでしまうようになります。
また、首が片方に向いたままになる「捻転斜頸」が起こるようになり、回復後も後遺症としてわすかに首が傾いたままになる場合があります。
犬の耳鼻科疾患は、人間と同じくすぐに受診するかしないかで症状の状態が分かれます。
内耳炎の症状とほぼ同じですから、頻繁に頭を振る/耳を掻くなどしきりに耳を気にする様子が見られたらすぐに病院に連れて行きましょう。
犬は人間より重症化しやすく身体的負担が大きいので、普段と違うと感じたらすぐに病院に連れて行くのが重症化や後遺症を防ぐ方法ですね。
パグ脳炎
正式名称は「壊死性髄膜脳炎」で、大脳を中心に脳の広範囲に壊死が起こる病気です。
初めて発見された時はパグに発症する事が多かったため「パグ脳炎」と名付けられましたが、今では、パグに限らずシー・ズー、チワワ、ポメラニアンなどの小型犬も発症します。特に1~3歳の犬に発症する事が多いとされています。
症状
- 突然のけいれん発作
- 失明・まっすぐ歩けなくなる
- クルクル回る旋回運動
- 壁に頭を押しつける
- 運動機能の低下
- 首を傾げる斜頸
- めまいにより立つことが困難
- 脳異常により飲水障害や昏睡状態 など
この病気は詳しく解明されていないので、原因や特効薬や治療法・予防法も発見されていません。
進行スピードが速いため発症してから1日~数週間で亡くなるか、安楽死を選ぶしかないです。
治療法が発見されていないので、現状は対処療法をメインに発作を防ぐ抗けいれん薬やステロイド剤を投薬したり、症状を緩和したりすることだけです。
早期発見・治療をすることで、生存率が変わるともいわれています。完治はできなくても利治療が早ければ早いほど症状の緩和や寿命を延ばすことができます。
初期症状の突然のけいれん発作やまっすぐ歩けない行動・症状が見られたらすぐに病院に連れて行きましょう。
まとめ
犬の首をかしげる行動には、音を聞き分ける・飼い主を喜ばせるための他に病気のサインも含まれている事は知らない人が多いと思います。
病気も完治する方法がない疾患なので、早期発見・治療をしないと後遺症や重篤な状態になってしまう可能性が高いです。
首をかしげる動作は飼い主からしたら可愛いですが、愛犬からしたら病気のサインを送っている可能性もあります。
今回、紹介した病気の症状があるかどうか日頃から観察するのが早期発見・治療に繋がります。
首をかしげる動作を「可愛い!」と思うと同時に病気のサインがあるかどうかも観察しましょう。
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